メラニン色素とヘモグロビンがシミ(ニキビ跡)の原因になる

ニキビや吹き出物がやっと治った!と思っても、悲しいことに跡が残ってしまうケースがあります。

鮮やかな赤色で目立つもの、茶色や赤紫色でガンコに何年も消えないもの、肌の表面がでこぼこになってしまうものなど、タイプはいろいろありますが、ニキビや吹き出物の跡は、本当に憂うつな置き土産です。できる仕組みと治す仕組みをしっかり理解して、きちんと結果の出るケアに生かしましょう。

ニキビや吹き出物の跡のタイプとできる仕組み

ニキビや吹き出物の跡は、5つのタイプに分けられます。軽い症状から順番に「赤い跡」「赤紫色の色素沈着」「茶色の色素沈着」「クレーター」「ケロイド」の5つです。それぞれでき方や治り方が異なるので、治療法やケア方法も違ってきます。

まずは「どうしてできるの?」「自分で治すことはできる?」という点を中心に、しっかり特徴をおさえておきましょう。

タイプ1. 赤い跡

ニキビや吹き出物が炎症を起こしているとき、毛穴の周りでは、血液がたまった状態である「うっ血」が起こります。毛細血管が広がり、そこにたまった大量の血液の色が、外側からは赤く鮮やかに見えます。

うっ血が激しい場合、炎症が鎮まり痛みやかゆみが引いても、広がった毛細血管はすぐには戻らないので、赤みだけ残ってしまいます。これが赤いニキビ跡、吹き出物の跡です。それほどこじれた状態ではないため、治しやすいのが特徴です。

保湿と洗顔に気をつけた正しいスキンケアを続ければ、数週間のうちに自然に消えるケースがほとんどです。

タイプ2. 赤紫色の色素沈着

ニキビや吹き出物が悪化すると、はじめは毛穴の周りだけだった炎症が、どんどん周辺の皮膚組織に広がっていきます。そのとき皮膚組織と一緒に毛細血管が破壊されて、血液がにじみ出ます。この血液が、赤紫色の跡になります。赤紫色の正体は、血液成分の「ヘモグロビン」です。

このニキビや吹き出物の跡はとても目立つので、できてしまうとショックですが、悪化に気をつけて正しいスキンケアを行えば、セルフケアでだいたい数か月のうちに治すことができます。

タイプ3. 茶色の色素沈着

ニキビや吹き出物の悪化が進行すると、皮膚組織を守ろうという働きが起こります。その一つが、メラニン色素の生成です。メラニン色素は肌の深部にある真皮細胞が死んだり皮膚がんになったりするのを防ぐため、表面に近い表皮につくられ、紫外線をブロックします。これが茶色い跡です。

こちらも肌の自然な新陳代謝で治っていきますが、数か月〜数年という長い時間がかかることもあります。肌の回復力が弱いと、いつまでも残ってしまいます。

タイプ4. クレーター

ニキビや吹き出物の跡の一つ一つがへこんだ形になり、肌表面がでこぼこと立体的になったものをクレーターと呼びます。これは炎症が激しく進行して、皮膚組織の深いところにある真皮まで破壊し、落ちくぼんでしまったことが原因で起こります。

クレーターのようになった部分には瘢痕(はんこん)と呼ばれる、再生能力がない組織ができます。再生しないので、どんなに細胞を活性化するケアをしても、残念ながら効き目はなく、きれいに治すことが困難です。ただし皮膚科、美容皮膚科など専門の医療機関で、目立たない程度に処置することは可能です。

タイプ5. ケロイド

体質によって、ごくまれにできるニキビや吹き出物の跡です。クレーターと同じく立体的な跡ですが、こちらは盛り上がった形になります。皮膚が再生するときに、コラーゲン繊維が必要以上につくられてしまい、硬くなったものです。

自然に治ることはなく、セルフケアで改善させることも困難なので、皮膚科や美容皮膚科で専門的な治療を受ける必要があります。ケロイド表面のビニールのような光沢は治りませんが、盛り上がりを目立たなくすることはできます。

セルフケアで効果が大きく期待できるのは、ヘモグロビンが原因の赤紫色と、メラニン色素が原因の茶色の、2つの色素沈着タイプです。次で詳しくみていきましょう。

ニキビや吹き出物の跡の色素沈着が治るメカニズム

色素沈着は、もともと自然に治る肌トラブルです。そのため、自然治癒のプロセスを強力にサポートすることで、より早く確実にきれいな肌を取り戻すことができます。まずは、ヘモグロビンとメラニン色素による色素沈着が、どう治っていくのかを理解しておきましょう。

赤紫色の色素沈着が自然に治るプロセス

赤紫の跡ができると、修復のために、さまざまな免疫細胞が活発に働き始めます。死んだ細胞を片づけ、新たに皮膚組織や毛細血管をつくります。

毛細血管ができあがると、その周りににじみ出たヘモグロビンが血管の中に少しずつ吸収され、ニキビや吹き出物があった場所から回収されます。そのため、だんだん色が薄くなっていきます。

茶色の色素沈着が自然に治るプロセス

ニキビや吹き出物が悪化したために蓄積したメラニン色素は、通常、肌の新陳代謝であるターンオーバーによって自然に排出されます。肌の表皮は4層構造になっていて、深いところから「基底層」「有棘層(ゆうきょそう)」「顆粒層」「角質層」が重なっています。

新しい肌細胞は基底層で生まれ、形を変化させながらどんどん表面に押し上げられ、最後に角質層で役目を終えると、自然にはがれ落ちます。これがターンオーバーです。メラニン色素も同じように基底層で生まれて押し上げられ、最後にははがれ落ちます。

治る力を強力サポートする2つのケア

シミとなったニキビや吹き出物の跡がいつまでも残るのは、肌組織や血管をつくる力、あるいはターンオーバーを活発に行う力が弱いためです。セルフケアでは、これらを活性化することが大切です。効果的なのは、ビタミンCの集中ケアとピーリングです。

ビタミンCの集中ケア

ビタミンCは美容ケアの必須ビタミンともいわれるほど、豊かな効果があります。細胞の老化や劣化を防ぐ抗酸化作用があるほか、免疫力を高める働きがあるので、肌のあらゆる機能をパワフルにします。

ニキビや吹き出物については炎症を鎮め、色素沈着を予防・改善し、ターンオーバーを促すので、悪化防止と回復促進の両方に効き目があります。洗顔料をはじめスキンケア商品には、ビタミンCがしっかり含まれているものを選び、毎日使用するようにしましょう。

また、サプリメントの服用もおすすめです。同時に体内のビタミンCを破壊する紫外線をしっかり防ぎ、お酒とタバコをできるだけ控えたほうが良いでしょう。

ピーリング

ピーリングは、古くなった角質や毛穴をふさいでいる角栓を、薬剤で取り除くスキンケアです。老廃物をきれいに除去することで、肌のターンオーバーを高め、再生能力をアップします。本格的なピーリングは医療機関で行われます。

効果の高い酸性のピーリング剤を使うため、安全で効果的な濃度や塗布時間を、医師が慎重に判断します。セルフケアでは市販のマイルドなピーリング剤を使いますが、充分に効果が期待できます。

ジェルやクリーム状の洗い流すタイプ、シート状の拭き取りタイプ、塗った後にこすってポロポロ落とすタイプ、粗い粒子が入ったスクラブタイプなどがありますが、刺激の少ない洗い流すタイプがおすすめです。

古くなった角質を取り除くだけでなく、健康な皮膚細胞まで傷つけてしまう恐れがあるので、くれぐれも「やり過ぎ」に注意しましょう。使用頻度や塗布時間など、使用法を守ることが大切です。また、ピーリング後は肌の保護機能が一時的に弱くなってしまうので、保湿とUVケアにいつも以上に気を配りましょう。

保湿、洗顔、UVケアなどの基本ケアに加えて、特別なケアを行うと、ヘモグロビンやメラニン色素が原因のニキビや吹き出物の跡をきれいに治すことができます。色素沈着しても諦めず、きちんとケアしていきましょう。

また、さらに重度なクレーターやケロイドについても、医療機関では頼れる治療法がさまざまあります。10年前なら治せなかったものが治療可能になっているケースもあるので、こちらも諦めずにきれいを目指しましょう。

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