体の部位別で見る保湿のポイント

ふとしたきっかけで「こんなところがカサついている」と肌の乾燥に気づくことがあります。肌の乾燥は美肌の大敵です。一刻も早く適切な保湿ケアをしないと、肌トラブルの悪循環に陥って、吹き出物やニキビ、シミ、シワをつくってしまいます。

でも、実は身体の部位によって、乾燥の原因も保湿のポイントも異なります。毎日の保湿ケアでしっかり結果を出せるよう、それぞれの特徴と保湿の秘訣を知っておきましょう。

部位でこんなに違う!乾燥の原因と保湿のコツ

保湿ケアの基本は、正しい洗顔と、保湿成分の補給をメインにしたスキンケアです。洗顔には、ビタミンCなどの総合的な美肌効果がある成分が配合された、低刺激の洗顔料を使いましょう。顔を含め全身に使う化粧水やローションには、セラミドやスフィンゴ脂質、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンなど、有能な保湿成分が配合されたものがおすすめです。

こうした基本の保湿ケアをしっかり行ったうえで、身体の部位別に、保湿のコツを踏まえたケアを実践しましょう。同じ人の身体でも、部位によって肌の性質や、肌を取り巻く環境が大きく異なります。

もともと皮脂が多いところ、少ないところ。バリア機能が強いところ、弱いところ。そして陽射しにさらされ、紫外線に傷めつけられやすいところ。あるいは常に衣服と接触して、摩擦のストレスがかかるところ。それぞれの部位の違いを理解して乾燥対策に生かしましょう。

おでこの正しい保湿ケア

おでこは、汚れがたまりやすい髪の生え際や皮脂の多いTゾーンがあり、肌荒れや吹き出物ができやすい危険な場所です。本来は乾燥しにくい部位ですが、こうした肌トラブルがもとになって乾燥を引き起こしがちです。乾燥すると、吹き出物の再発という悪循環に陥るうえ、シワもできやすくなるので、注意が必要です。

おでこが乾燥する原因とは?

おでこに乾燥をもたらす原因の一つは、前髪による刺激です。前髪を下ろすヘアスタイルをしていると、おでこが1日中、髪の動きや毛先の接触で刺激されます。そうすると表面の角質細胞が破壊され乾燥してしまいます。

特にぱっつん前髪は、毛先が強くおでこに当たるため最も刺激が強く、肌には良くない環境です。また、髪に残留したシャンプーやコンディショナーの界面活性剤も原因になります。一般的な界面活性剤は、肌にとって必要な皮脂まで洗い流し乾燥を招きます。

同時に肌への刺激が大変強く、肌表面の皮膚細胞を傷つけてバリア機能を低下させるため、もともと身体に備わっている天然の保湿成分も破壊します。ただし、アミノ酸系の界面活性剤なら安心です。アミノ酸系は肌への刺激が最小限で、保湿成分やバリア成分を破壊しないよう洗浄するために開発された界面活性剤だからです。

またムースやワックス、ジェルなどの整髪料が肌に触れることも乾燥につながります。整髪料には髪を固めるためのアクリル系樹脂や、コーティングしてつやつやとした光沢を出すためのプラスティック剤が配合されています。

さらに、油分、アルコール、強い界面活性剤も含まれています。アルコールは気化するときに水分を奪いますし、ほかの成分はどれも肌の表面でバリアになっている保湿成分を壊します。

おでこの保湿の注意点

肌のコンディションがあまり良くないときは、前髪の処理に気をつけましょう。どうしても前髪を上げたくない人は、横に流して動かないようにして、しっかりピンで留めます。髪の接触刺激を与え続けてしまうと、保湿ローションなどを塗っても効果が得られません。

またシャンプーやコンディショナーはアミノ酸系のものを使用し、肌の調子が回復するまで、整髪料はできるだけ使わないようにしましょう。さらに、おでこの乾燥が気になるときには、メイクの上から使用できるスプレータイプの保湿化粧水やローションを、日中2〜3度使用すると良いでしょう。

あごの正しい保湿ケア

顔の中でも、意外に乾燥しがちな部位があごです。あごの乾燥を放置しておくと、ほうれい線が目立つようになって老け顔になるので、潤い補給が重要です。

あごが乾燥する原因とは?

あごはもともと皮脂の分泌が少ないうえ、ケアが手薄になりがちです。洗顔時、すすぎが不十分であごに洗顔料が残ってしまうことも多いですし、保湿化粧品を塗るとき、目元や頬は丁寧に行っても、あごはつい適当になります。

ほかに紫外線の影響も重大です。あごは紫外線を浴びやすい部分ですが、日焼け止めを塗るとき雑になることが多く、またきちんと塗っても、衣服にこすれて日焼け止めが落ちてしまうこともあります。さらに帽子で紫外線をガードする場合、あごはなかなか防ぎきれません。

また、あごは無意識に手で触ったり、毛先や衣服が当たったりして摩擦を起こし、雑菌がつきやすい環境でもあります。これらも乾燥をもたらす原因です。

あごの保湿の注意点

肌がデリケートな状態のときは、うっかりあごに手で触れないよう気をつけることが大切です。衣服もあごにこすれないデザインのものを選び、吹き出物を隠すためにマスクをつけるのも控えましょう。

UVケアについては、日焼け止めをしっかりあごまで塗り、また落ちたらこまめに塗り直すなど、入念に行いましょう。強い刺激成分で肌荒れや乾燥を引き起こすのを防ぐため、日焼け止めには、「ノンケミカル」「紫外線吸収剤不使用」の表示があるものを選びましょう。

また、外出のときには、帽子より日傘を使うことをおすすめします。さらに、あごの部分だけ乾燥が激しいときは、朝晩のスキンケアの際に、ローションを部分的に重ね塗りします。バリア機能が高いセラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンが主成分のものを選ぶと良いでしょう。手や衣服の接触が多いようなら、メイクの上から使用できるローションで日中も保護しましょう。

頬の正しい保湿ケア

頬はもともと皮脂の分泌が少ないため、顔の中でも乾燥しやすくなっています。鏡をのぞいて頬の毛穴が目立っていたら、乾燥のサインなので注意しましょう。頬が乾燥するとシワになりやすく、ダメージがとても目立ちます。

この部位に吹き出物がよくできる人は、皮脂ではなく乾燥が原因のため、特に意識して念入りに保湿ケアを行いましょう。

頬が乾燥する理由とは?

頬の過度な乾燥は、女性ホルモンの分泌が低下していることが主な原因と言われています。女性ホルモンの不調には過労やストレス、睡眠不足、飲酒、喫煙が大きく関わっています。また外部要因としては、紫外線や外気、エアコンの風なども考えられます。

頬の保湿の注意点

まず風と紫外線から肌をガードするよう、心がけましょう。外出時には「ノンケミカル」「紫外線吸収剤不使用」の表示がある日焼け止め、日傘などでUVケアを行い、屋外でも室内でも頬を風に無防備にさらさないよう注意しましょう。

また、頬のカサカサが目立つ場合は、朝晩のスキンケアでビタミンC配合のものを使って悪化を予防します。さらに洗顔時の摩擦を避けるため、こすり洗いが必要ない、汚れを吸着して落とすタイプのクレイ洗顔料などを使うと良いでしょう。

そのうえで、生活習慣を見直すことが大切です。過労や睡眠不足の心当たりがある人は、きちんと休息をとり、夜は11時くらいまでに就寝しましょう。お酒やタバコは身体の水分を奪い、肌の再生であるターンオーバーを乱すので、肌の乾燥がひどい間はできるだけ控えた方が良いです。

鼻の正しい保湿ケア

鼻は皮脂が多く毛穴も深いため、皮脂がたまりやすいです。そのため、もともと乾燥しやすい部位ではありませんが、人為的に乾燥させてしまうことが最も多いポイントです。

鼻の乾燥の原因とは?

頬と同じように紫外線や風による乾燥もありますが、鼻の場合最も多いのは、間違った洗顔です。鼻は本来、皮脂が多過ぎて問題になる部分なので、汚れを落とそうと頑張り過ぎてしまうことが原因です。具体的には、以下の3つが挙げられます。

  • 頻繁な洗顔
  • こすり過ぎる洗顔
  • 洗浄力が強過ぎる洗顔料

1日に何度も洗顔すると、天然の保湿成分が流れ落ちてしまったり、肌に負担をかけたりして乾燥を引き起こします。また、一生懸命に皮脂を落とそうとしてゴシゴシこすり、表皮細胞を傷つけてしまうケースも問題です。さらに、洗顔料の洗浄力が強過ぎて、必要最小限の皮脂も奪ってしまうことがあります。

鼻の保湿の注意点

まず、強い界面活性剤などが含まれていない、低刺激のマイルドな洗顔料を選びます。肌をこすらず洗える、クレイ洗顔料がおすすめです。洗顔回数は1日2回にとどめ、くれぐれも洗い過ぎ、皮脂の落とし過ぎに注意しましょう。そのうえで、基本の保湿ケアを行います。

また鼻は紫外線を受けやすいので、ノンケミカルの日焼け止めでUVケアをし、無意識に鼻を触る癖などがあれば気をつけましょう。

頭の正しい保湿ケア

頭部は皮脂の分泌が多く、もともと乾燥しやすい部位ではありません。しかし、シャンプーやコンディショナー、整髪料などの刺激物が肌に付着するうえ、ブラッシングやドライヤーにより頭皮に負担がかかるので、非常にトラブルが起こりやすいです。そのため、普段からのケアが重要です。

すでに頭皮に問題が生じている場合は、できるだけ医師の診察を受けてからセルフケアを行いましょう。頭部の場合は、接触性皮膚炎、真菌性皮膚炎、頭部アトピー性皮膚炎をはじめ、特別な治療が必要になるケースが少なくありません。

頭が乾燥する原因とは?

最も多い原因は、シャンプーやコンディショナー、整髪料、そしてカラーリング剤の影響です。肌への刺激が強いものを使用すると、表面にあるバリア成分や天然の保湿成分を溶かして流し乾燥が生じます。

また、ブラッシングやドライヤーで髪を乾かすとき、ブラシで肌を傷つけたり、髪を強く引っ張って毛穴を傷めたりすることも乾燥の要因です。

頭の保湿の注意点

余分な皮脂と汚れをしっかり落とすと同時に、低刺激なシャンプーやコンディショナーを選ぶことが大切です。おでこと同じように、アミノ酸系のものがおすすめです。「アミノ酸系」と表示してあるか、成分表示に「ココイル〜」「〜ベタイン」と書いてあるものを選びましょう。

シャンプーをするときには爪を立てず、指の腹でやさしく汚れを落とし、すすぎにたっぷり時間をかけることが大切です。2度洗いはせず、シャンプーの回数は1日に1回までとします。乾燥が気になる場合は、洗髪後に顔のケアに使う保湿用ローションを頭皮に塗り、ドライヤーで髪を乾かします。

カラーリング剤については、美容院で頭皮への刺激がマイルドなものをリクエストしましょう。乾燥が気になる人は、一時的でもヘナカラーやトリートメントカラーに変更した方が安全です。これらは頭皮や髪にダメージを与えにくく、保湿成分が含まれています。

背中の正しい保湿ケア

背中の肩甲骨の周りには、皮脂を分泌する皮脂腺が集中しています。そのためバリアとして肌が守られている一方、バランスを崩すとすぐに吹き出物ができてしまいます。背中は目が届きにくいので、痛みやかゆみで気づいたときには、吹き出物がかなり悪化していることが多くあります。

背中の乾燥の原因とは?

背中は常に衣服と接触し、摩擦のストレスにさらされています。そのため、肌の表面にある角質層の細胞が傷つき、水分や天然保湿成分を失って乾燥を起こします。また、過剰な皮脂により吹き出物ができ、そのダメージによって乾燥することもあります。

もう一つ注意したいのは、紫外線の影響です。強い紫外線は衣服を透過するので、油断は禁物です。紫外線は水分を蒸発させると同時に、角質を硬く厚くして乾燥肌にします。

背中の保湿の注意点

背中にも、保湿成分が豊かな化粧水やローションを塗りましょう。また、背中に吹き出物ができやすい人は、シャンプーやコンディショナー、ボディソープなどを低刺激で保湿機能の高いものにしましょう。ノンシリコンで、アミノ酸系の界面活性剤を使用しているものがおすすめです。

すすぎは念入りに行い、肌に残留しないよう気をつけます。背中の皮脂が気になる人は、入浴時にマイルドなピーリング石鹸を使うのも良いでしょう。古い角質を溶かして流し、シャンプーなどの薬剤も肌に残さず落とす効果があります。

そして、背中のUVケアも大切です。ノンケミカルの日焼け止めを塗り、色の濃い衣服を着ると、紫外線の透過を防ぐことができます。

お尻の正しい保湿ケア

お尻は柔らかいように感じますが、柔らかいのは中身の脂肪だけで、肌表面の角質が分厚く硬く、乾燥しやすいのが特徴です。また、座っている時は腰とお尻で体重を支えているため、肌への圧迫、摩擦が強く、肌トラブルになりやすい条件がそろっています。

お尻の乾燥の原因とは?

お尻の乾燥トラブルの原因は、座っている時に受ける圧迫や衣服や下着などによってくり返される摩擦です。これらの刺激で角質細胞が傷ついて天然の保湿成分が流出し、バリア機能が壊れて水分が失われてしまいます。

もう一つは、刺激からの防御反応として、肌が角質を硬く厚くしてしまうことによる乾燥です。衣服や下着に包まれ大事にされているようですが、お尻の負担は過酷です。それにも関わらず、スキンケアが十分に行われていないことも要因です。

お尻の保湿の注意点

顔と同じように、お尻もしっかり保湿ケアをしましょう。入浴時はシャンプー、コンディショナー、ボディソープなどの残留がないようよくすすぎ、肌にカサつきや硬さが目立つときは、マイルドなピーリング石鹸を使って古い角質を落としましょう。そして、保湿成分がたっぷり入った化粧水やローションを塗ります。

下着は、通気性と吸湿性の良い綿かシルク素材のものにします。部分的に蒸れが気になる人は、吸湿性とともに放湿性もあるシルクニットの下着が良いでしょう。また、仕事などで座っている時間が長い人は、種類の異なるクッションを取り換えながら使うと、同じ部分にだけ圧迫が加わるのを避けることができます。

このように、身体の部位ごとに肌の事情は大きく異なります。同じところに肌トラブルが起きる人は特に、それぞれの特徴に気をつけたケアをしましょう。ほんの少し注意を払うだけで、いつもの悩みから解放されるかもしれません。

「すべての肌トラブルの解決法は保湿にあり」とは、美容界のプロたちがよく口にすることです。より丁寧で行き届いた、部位別の保湿テクニックを身につけましょう。

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